医師の説明~アンラッキーとラッキーの混在 脳腫瘍闘病記(2)

そういやうちにもオモチャの聴診器があります(これはフリー素材)

麻酔が少しずつ切れてきて、だいぶぼんやり感が消えてきた金曜の夕方、主治医から検査結果や治療方針の説明がありました。今回はその内容を簡単にまとめます。

面談室にて

面談室の画面にはわたしの脳のMRI画像。

素人のわたしが見てもあきらかに「おお、これが脳腫瘍か」とわかるものが写っており、それを見ながら主治医がいろいろと説明してくれました。

  • 去年切除した乳房葉状腫瘍から転移したものではなさそう(別のところからの転移の場合はMRI画像に白っぽく?写るがこれはそうではないので違うだろう、と)
  • この画像のほか様々な検査の結果から、おそらく「神経膠腫」という種類の脳腫瘍だと推察される。
  • 神経膠腫には4段階の悪性度(グレード)がある。検査結果を見る限り、悪性度の一番高い4および一番低い1ではなさそうで、2もしくは3であると考えられる。
  • 神経膠腫かどうか、またそのグレードがどれか、は摘出後の病理検査ではっきりとわかる。2でも3でも、基本的に放射線治療などはしたほうがいい、というのが専門家の意見。

ざっくりとまとめるとこんな感じでした。

主治医とはその時初めてまともに話をしたのですが(ぼんやりしている間にたぶん何度も言葉は交わしているのですが、なにせあんまり覚えていなくて…)、すごく端的でわかりやすい説明をしてくれる感じのいい先生で、この人にお任せしよう、と素直に思えました。

わたしなりにまとめた「神経膠腫」

わたしは自分が診断されるまで恥ずかしながら知らなかったのですが、「神経膠腫」というのはたちの悪いタイプの脳腫瘍で、一昔前はかなり予後が悪かったようです。なんたるアンラッキー!ガーン!(←万が一自分がガンになったら絶対に言おうと思っていたけど、いわゆる「ガン」ともまた微妙に違う「悪性腫瘍」なので中途半端…)

周りにじわじわと浸透していくいわゆる「浸潤がん」と似たようなタイプなのですが、なにせ腫瘍があるのが「脳」なので、ほかの臓器、たとえば胃や子宮などのように「ちょっと大きめに切る」とか「全摘出」などという手段は使えません。頭カラッポのほうが夢詰め込めるけど、さすがにね。

そのため、

  • できる限り手術で腫瘍を取り除く
  • 取り切れずに残った悪い細胞を放射線治療と化学療法で叩く
  • 場合によっては放射線治療および化学療法でやっつけたあとの腫瘍のカス?みたいなものを再手術で取り除く

というのがこの病院での標準的な神経膠腫の治療法のようです。

しかし、そもそも「できる限り手術で腫瘍を取り除く」というのが非常にやっかい。何度も言いますが腫瘍が「脳内」にあるので、腫瘍じゃない部分を切ってしまうと術後の生活に影響が出ます。

MRI画像ではくっきりと脳腫瘍が写っていましたが、実際に頭蓋骨をパッカンと開けて脳をプルンと出しても、神経膠腫の場合、腫瘍と正常な脳の境目が非常にわかりにくいんだそうです。

例えばわたしの場合、身体の運動を司る右前頭葉に腫瘍があるため、その手術の過程で右前頭葉に傷がついたりすると、左手足が動きにくくなる可能性があります。(術前の説明では「その可能性が高いが、放射線治療が終わるころには見た目にはわからない程度まで回復すると思う」と言われていました。結果的には大丈夫でしたが)

その対策として、

  • 特殊な光を当てると腫瘍が光るようになる薬「アラベル」を術前に飲む(なんだその薬…どういう仕組みなの…?)
  • 手術中にMRIを撮る

などさまざまな検査などをしつつ、10時間(!)ほどかけて慎重に手術を行う、とのこと。わたしが去年受けた乳房葉状腫瘍の手術は1時間半から2時間ほどで終わりましたから、その5倍です。ヒエー。

「術中MRI」ってすごいらしい

あとから知ったのですが、手術中にMRIの撮影ができる「術中MRI」はここ数年で少しずつ広がってきた新しい技術で、この技術によって神経膠腫になった人の予後が飛躍的に良くなっているそうです。

ただ、これを導入している病院は全国でもそんなに多くなく、わたしの住んでいる県で「術中MRI」があるのはなんとわたしがたまたま運ばれたこの病院だけ。なんてラッキーなんでしょう!神様がわたしに「生きなさい」って言ってくれてるんだと思います。

ちなみに前回の記事の余談でちょっと触れた、脳外科で長く看護師(オペナース歴も長い)をしている叔母(母の妹)でさえ、「術中MRI」という技術自体知らなかったようです。それだけ新しい技術なんですね。

数年後には別のすばらしい技術がまた出てくるんでしょうね。そういった医療技術を研究している方々に、本当に頭の下がる思いです。

読んでくださっている方へ

さて、今回は闘病記というよりも神経膠腫とその手術についての説明に終始する記事になってしまいました。

今回の記事に書いてある情報はあくまでも「2017年秋の時点で、医療について全く知識のないライターのわたしが、医師の説明やその他様々な情報を集めて素人なりにまとめたもの」です。

腫瘍の種類やできた場所、症状、病院や医師によって治療法はさまざまです。この記事はあくまでも「鞠ようこの場合」と限定してお読みください。

どうかよろしくお願いいたします。